56. 太っていると悩むことで魅力を失ってしまう(『やせる生き方、太る生き方』)

『やせる生き方、太る生き方』より

悩みというのは、いったん悩み出すと、悩む原因などもともとないのに、悩むことにはそれなりの理由があるような気がしてきます。自分が今悩んでいるのは当然のような気がしてきます。悩みの原因は悩みです。太っていることを悩んでいる人は、自分が太っていることを悩むのは当たり前だと思っています。しかし太っていることそれ自体は、悩みの直接の原因にはなりません。あなたが太っていることを悩みの原因に自らしただけです。何度でも言います。太っているという事実から悩んでいるのではありません。
 
[私は太っていることで悩むことをやめる]と決心することのほうが、ダイエットを決心することよりはるかに大切です。そしてそのほうがはるかに有意義な人生を送れます。英語で悩みとは worry といいます。この英語の「悩み」という言葉は、オルトンによると旧いサクソン語からきたそうです。そしてそれは、動物が他の動物に咽を噛みつかれて窒息するときのもがく声を真似ているということです。
 
太っていると悩んでいる人は、悩みに咽を噛みつかれたのです。ある種の動物は相手の咽に噛みついたら離しません。太っているという悩みは、あなたの咽に噛みついてあなたを窒息させようとしているのです。犬に噛みつかれることを恐れて用心するあなたが、なぜもっと恐ろしい悩みに咽を噛みつかれることを警戒しないのでしょうか。
 
悩んでいると、あなたの女らしさも、美しさも、魅力も、知性も、撥刺とした若さも、あふれるような元気も、優しさも、高貴さも皆なくなってしまいます。悩みはあなたの魅力のすべてを吸い尽くしてしまいます。狼があなたに食いついて血を吸い、噛み殺すように、悩みもあなたの咽元に食いつき、離さず、あなたの魅力を窒息させます。あなたは析角魅力ある女性なのに、太っていると悩むことで魅力を失うのです。

前のページ <著作からの抜粋> トップページ 次のページ