子供はどこで勇気や忍耐力を養うか?

自然な子が親を喜ばそうとするのは、親が好きだからである。自然な子は別に孤独ではない。そうしたいからそう しているだけである。自然な子は親が好きである。
 
「良い子」が親を喜ばそうとするのは、嫌われることが恐いからである。ひとりぼっちが恐いからである。親を喜 ばすのは「自分が」気に入ってもらうためである。親を喜ばすのは自分を守るためである。
 
「良い子」には本当の勇気がない。本当の勇気とは現実を認める事である。現実から逃げないと言う事である。
 
おそらく小さい時に、悲しくて、悔しくて、泣く時があっただろう。しかしそこで母親からそっと抱いてもらうと 言う体験が「良い子」にはないから勇気がないのである。
 
そんな時に母親にそっと抱いもらえると、どうなるか。子供は「こんな事で負けるものか」と思い、そこで勇気や 忍耐力を養う。その熱い思いが後の勇気や忍耐力を養成することになる。
 
しかし泣く事を「男のくせに」と叱られたりすると、大人になった時に真に耐える力が萎えている。
 
「良い子」には自然の成長がなかった。無理に「良い子」にさせられた。だから目的もなくただ立派な人を演じよ うとする。
 
まるで火事の時に「勇気がある」と称えられたくて、無闇に火の中に入っていくような行為を演じるのである。真 に勇気のある行為とは、中に助ける人がいて、その助けるという目的のために火の中に入っていくことである。
 
「良い子」が真の勇気も忍耐力もないのは、人生に自分の目的がないからである。人生に自分の目的がないのに「 元気な事は良い事」ということで無理に元気にしているのが「良い子」である。
 
心理的に健康な人は自分の目的があって気分が良いから元気なのである。