他人に気をつかいすぎて疲れる人の心理学</br>(3月10日発売)

他人に気をつかいすぎて疲れる人の心理学
(3月10日発売)

なぜ人間関係が上手くいかないのか?

「相手のため」と思っていることが、相手のためではないと気がつくことがある。
現実にはなかなか気がつかないが、視点を変えるパラダイム・シフトで、そんな自分に気がつくことはある。
ただ本人は「ふさわしい努力」をしているつもりで、実は「ふさわしい努力」をしていないことが多い。
本人は必死で相手のために頑張っているつもりで、実は自己中心的で独善的で自分勝手なことをしている。

人には思い込みによる不幸というのがある。
少し視野を広げれば、少し価値観を変えれば、幸せになれるのに、幸せになれない。
その視点を変えるのがパラダイム・シフトである。
視点を変えると言う事である。多面的な視点で世界を見る。

フロムのいう神経症的非利己主義の行動をして居ることが多い。従って頑張った努力は報われない努力になる。
本人は自分が神経症的非利己主義者であることに気がついていない。そこで嘆く。

神経症的非利己主義は非利己主義であるが、それは相手に気に入られるために非利己主義である。いい人と思ってもらうための非利己主義である。

頑張って、頑張って働いて、懐かしい思い出も、掛け替えのない人間関係も、お金も何も残らない。
無理をして、さらに無理をして尽くして、心の中には何も残らない。ただ消耗する。心が弱くなるだけ。
これがフロムがいう神経症的非利己主義の症状である。

その症状はフロムの言うごとく疲労、抑うつ、愛の関係の失敗などである。努力するのだが、最後には努力が報われない。悔しさが残る。

自分が無意識では病的に利己主義でありながら、そのことに気がついていない。人に迷惑をかけているのだが、迷惑をかけているという感覚がない。

相手は自分に何を期待しているかということを理解する気持ちの欠如した人だからである。
人に知らせずひそかにする善行を陰徳と言われるが、神経症的非利己主義はその逆である。

 生への憎しみが、徳という仮面をかぶって登場したのが神経症的非利己主義である。[註、Erich Fromm, The Art of Loving, Harper & Publishers, Inc,1956 .愛するということ、懸田克躬訳、紀伊国屋書店、1959/1/26。86頁]

もちろん本人は自分の無意識の憎しみに気がついていない。
「私はこんなに人々に尽くしています、皆さん見てください」と自分を売り込んでも、人はそのことに気がついていないことが多い。
気を使って消耗していても、だいたい人は見ていない。人を意識しての行動というのは疲れるだけでばかばかしいものである。自分が「こうしたら」、きっと人が「こう思うだろう」ということを期待して行動しても、人はそう思わない。これほど無駄に消耗することはない。

 生への憎しみが、徳という仮面をかぶって登場したのが神経症的非利己主義である。[註、Erich Fromm, The Art of Loving, Harper & Publishers, Inc,1956 .愛するということ、懸田克躬訳、紀伊国屋書店、1959/1/26。86頁]

 それはカレン・ホルナイが神経症者は冷酷なまでに利己主義か、あまりにも非利己主義であると言ったことにも通じる。[註、Karen Horney, Our Inner Conflict, W.W.NORTON & COMPANY, 1945.291-292]

自分は、自分が思って居る自分と、本当の自分とは正反対な人ではないか?
それに気がつけば、違った世界が見える。まさにパラダイム・シフトがおきる。
悩みは、自分が何に動かされているかが分かれば解決する方向に向かう。

自分の価値が他人から評価されることに頼れば頼るほど、傷つくことが多くなる。人が言った何気ない一言で心が深く傷つくことがある。
 「自分の価値が他人に頼れば頼るほど、自分を卑しめる機会が増える。」[註、Nathan Leits, Depression and Masochism, W.W.Norton & Company, Inc., 1797, p.95]

長いこと努力しても幸せになれない人は、自分の不幸の原因を間違って解釈している場合が多い。
この本では不幸の本当の原因は何なのかを考えた。

「何度、私たちは人々が(頑張る)のを目にしたことでしょう。そして、そのたびに私たちは彼らをなだめることができたなら、つまり彼らがしていることを切りつめさせることができたなら、彼らが自分の不安や憎悪や、あるいは見当違いな高望みを自分の中につちかうのをやめてくれるのではないかと、本能的に感じていたのです。」 [註、George Weinberg、Self Creation, St. Martin’Press Co., New York, 1978, 自己創造の原則、三笠書房、1978/11/10。20頁]

自分が犬なのに猫と思っている猫は努力すればするほど、人生が行き詰まる。
そして「こんなに努力しているのに」と嘆く。

自分がなんだか訳が分からないままに一生懸命に努力をして、最後には「自分だけが不幸」と言う感じ方になる。

出版社 : 青春出版社(2021/3/10)
言語 : 日本語
単行本 : 240ページ
ISBN-10 : 4413231961
ISBN-13 : 978-4413231961

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