7. 受け身の人ほど不満をもらす (「ねばり」と「もろさ」の心理学)

『「ねばり」と「もろさ」の心理学―逆境に強い人、弱い人』より

いつも文句ばかり言っている人がいる。自分の仕事に対する文句、恋人に対する文句、自分の住んでいる町に対する文句、自分の会社に対する不満、自分の上司に対する不満、いま付き合っている友人に対する不満、家の近くの銀行に対する不満、とにかく不満、不満なのである。

そんなに不満ならその恋人と別れればいいではないかと思うが別れようとはしない。そんなにその友人が嫌ならその人と付き合わなければいいではないかと思うが付き合いを止めない。そんなに不満なら現在のアバートを変えればいいではないかと思うが引っ越しはしない。

私はだいたい人の不満とその人の受け身の態度とは正比例するものと思っていた。私は若い頃からいろいろな企画をすることが多かった。いろいろな企画をするとその参加者はだいたいにおいて受け身の順に不満が高い。それは何か不満なことがあっても、不満なことを決して変えようとしないからである。不満を表明しながらもそのことにしがみつく。

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