女主人とヒツジ

あるところで、女主人がヒツジを飼っていました。それから羊毛をとろうと思って、切りはじめましたが、うまくいかず、毛のかたまりといっしょに肉まではさんでしまいました。そこでヒツジは、痛がっていいました。
 
「なんだって私に怪我をさせるのです。私の血がなんのたしになります。肉がいるなら、肉屋がきて私を一度に殺してくれますし、羊毛がいるなら、刈り手がきて、私をいためずに刈ってくれるではありませんか。」

女主人は何を目的でこの羊を飼っているかを知らない。可愛いから飼っているのか、利益のために飼っているのか。
 
目的が定かでない人は生き方が荒っぽい。雑な生き方をする。雑な生き方とは中途半端な生き方でもある。徹底的に遊ぶ人が、徹底的に仕事をすることも出来る。それにこの女主人はものを扱う技術を学んでいない。
 
この女主人のようにして人生を失敗する人は多い。企業も同じである。バブルの時代になれない不動産に手を出して酷い目にあっている企業は多い。