【年頭所感】(2021年)

新しい年が、幸せな年のスタートであることを願っています。

昨年1年は、心理的に病んだ日本社会がコロナ危機に「どう対応」するか?で消耗した。
必要以上に消耗したのは、コロナの収束と、経済との両立という安易な考えかたに、人々が皆同調していたからである。
 ヘーゲルに学ぶまでもなく、歴史上難しい課題は正しいことと正しいこととの矛盾衝突である。その難しい課題の解決に完全に失敗したのが昨年である。

昨年の体験から学ぶ、中心のテーマは「安易に解決を考える」ことが事態を悪化させることである。
困難を解決するのに安易な道を選ぼうとするのがノイローゼであるとベラン・ウルフは言う。
そういう人は根本的な解決策を見つけるということに後込みしている。そして決断不能、引き伸ばし。
安易な解決を求める人の特徴は、闘う能力の喪失である。安易な解決が事態を悪化させる。安易な解決は本質的には何も解決しない。
昨年は第1波で終わらせることことが可能であったかもしれないコロナ感染症拡大を、第3波まで悪化させた。

何もしないでことで上手くまわることを期待しているのはベラン・ウルフの言う躊躇ノイローゼである。
自分はリスクと困難を回避しながら、誰かが、何かが解決してくれると思っている。待っていると障害が消える、誰かが自分の困難を解決してくれると期待する。現実にはありもしない魔法の杖を求める。
これが昨年メディアが盛んに使った「気持ちが緩んだ」という表現である。
それが昨年の1年である。

今年は、「安易な解決は事態を悪化させる」ことを肝に命じて、本気で解決に向かう年であることを願っています。

「何かが心配の時は、常に、自分が回避している中心的な事実があるのです。その中心的な事実は、あなた自身を変革せよという要求をたえずあなたの前に現れるはずです。」(註、David Seabury)

今年は、日本人が自分自身を変革することでコロナ問題の解決が見えてくることを信じています。
昨年の、優柔不断な態度の政治が何をもたらすかを学ぶなら、今年は必ず明るい年になると信じています。