● 2019年10月開講 早稲田大学エクステンションセンター講座

「5 人間であるにも拘わらず」全10回
目標
この講座は過去四年間、「自分と向き合う心理学」で無意識、「パーソナリティー論」で人間心理と環境、「現代と心の病」で依存症、「神経症とコミュニケーション」で神経症を学んできた上にうつ病と自殺を含め、人間を根源的に動かしているものを理解する。
講義概要
人間にとってコミュニケーションがいかに大切であるかを引き続き理解し、なぜうつ病や自殺という悲劇が起きるのかを考える。そして人間がどの様に生きれば、それらを避けられるか。またその場合どの様なことに注意をする必要があるのか? ベラン・ウルフの著作のタイトルの様に「人間として生まれてきたにも拘わらず、どうしたら幸せになれるのか」等々、人間としての根源的な問題を、四年間の勉強の成果の上に立って考える。

「心の健康と性格」全10回
春学期の「心の健康と性格」、具体的には恥ずかしがり屋の性格、レジリエンス・パーソナリティーなどなど様々な性格について、引き続き学習するが、それに続いてうつ病の病前性格と言われる執着性格などから、時間が許せばうつ病そのものまで含めてより広く学んでいきたい。

「3 現代と心の病」全8回
今の日本には様々な心の病がある。ストレスは現在の世界で極めて重要なテーマの一つであろう。ストレスは心を通して体までも蝕んでいく。そこからストレスと肉体の関係、性格とストレス、孤独と親しいコミュニケーション、絶望感と思いこみ等の問題を考える。そしてそれがもたらす最も恐ろしい結果である自殺まで考えてみたい。そしてストレスからくるノイローゼの問題。神経症者の要求の特徴、競争の特徴、愛情欲求の特徴などを考える。さらに薬物依存症やアルコール依存症やギャンブル依存症や買い物依存症等々などの依存症の問題もまた現代の心の病の重要な問題の一つである。依存症に苦しむ人々はそれに囚われていることは楽しくはない。それが自分に良くないことを知っている、馬鹿らしいから止めようと思う、でも止められない。それらの「こうしようと思ってもこうできない」強迫的性格は依存症ばかりではなく様々な現代の心の問題に共通する。最後にはそうした神経症者の問題を考える。