自分の感情を表現できないからイライラする。

前回子供の脅えについて書いたが、夫も同じである。例えば主婦は、家ではいつもニコニコしている「べき」だという規範を夫は妻に要求する。その要求の裏には、夫の愛情要求がある。

夫の愛情要求が、主婦のあるべき態度という規範の仮面をかぶって登場してきているのである。

外から見ていると、おびえたり、怒ったりと矛盾しているように見えるが、おびえる人は同時に怒りやすい人なのである。

おびえと怒りやすさは同じコインの表と裏である。そして怒りやすい人は愛情飢餓感が強い。いつも求めているから、いつも不満で、いつもイライラしている。油がにじんだ紙みたいなもので、ちょっとマッチをすれば、ぼっと燃え上がる。これが怒りやすさである。

イライラするのは素直にしていられないからである。悲しみであれ、怒りであれ、喜びであれ、自分の感情を表現できないからイライラするのである。

そして素直にしていられないから人となかなかかかわれない。子供は母親とかかわれない、夫は妻とかかわれない、上司は部下とかかわれない。