「自由でいいのよ」と言う母親の無責任。

私達は安心している時に、外に興味が行く。そして好きなものを見つけることができる。例えば言葉の分からない外国に一人でいる時のことを考えてみよう。不安である。その地域は治安が良くないらしいのに、暗くなってきた。そうなれば自分の身を守ることにしかエネルギーは使われない。街並みなどに関心が行かない。
 
子供も同じである。何となく不安な時、あるいは自分が病気になるのではないかと不安な時には、好きなものを見つけるどころではない。遊ぶどころではない。
 
トラブルを抱えている子供は安心して遊べない。しかし子供を愛している母親は子供のトラブルを最小限にくいとどめる。それは子供の顔色、言動、体調、食欲を見ているからである。そして少しでも普段と違った変化に気付くとすぐに対応し対処する。
 
だから子供は安心して遊ぶことができる。そして遊ぶ能力が身について自然な子でいられる。好きなことも見つかる。笑っていられる。
 
母親はよく「何かあったら言ってね」とか「自由でいいのよ」と子供に言う。しかしこれは一見子供のことを考えているようで、まったく子供とかかわっていない。子育ての責任を放棄している。
 
こういう時にはこういう親は子供に迎合している。母親は自分に自信がなくて子供からよく思われたいのである。愛情のある親は子供に「自分を好きになってくれ」とは思わない。子供がまともに育ってくれと願うだけである。
 
「何かあったら言ってね」とか「自由でいいよ」と言うのは子供がある程度の年令になって自立を促す時に言う言葉である。