親が子供の心をくみ取るから、子供の心の教育が出来る。

ただお金が大切だと言うことを教えると、子供達の中に守銭奴になる人もいるだろう。なぜお金が大切かというと、それはお父さんやお母さんが一生懸命働いて持ってきてくれているからである。だからお金は心を込めて使わなければならない。お金には働いている親の汗があるから、大切なのである。お金を使う中に、この気持ちを持つことが大切なのである。  しかしこうした気持ちになるためには子供が親と触れ合っていなければ無理だろう。親と心が触れ合っていれば、説明するだけでそういう気持ちになるに違いない。しかしもし子供が親に敵意を持っていたら、なぜお金を大切に使わなければならないと説明しても、教育はなかなか出来ない。  これは約束の時間を守らなければいけませんと言うことの教育についても同じである。なぜ約束の時間を守らなければいけないか?それは相手を待たしてはいけないと言う相手への気持ちからである。相手に対する尊敬の気持ちがなければなかなか守れない。そうした気持ちがあって次第に相手から「この人は時間を守ってくれる人」と言う信頼をかちえていくのである。  そうした相手との関係の中で約束の時間は守らなければならないと言うことが大切になる。こうして「なぜ?」を教えておかないと、約束の時間を守ること自体が大切なことと思う大人になってしまう。そして同伴のものが「お腹が痛い」と言っているのを放ったらかして、次の約束の時間を守ろうとする若いビジネスマンに成長してしまう。  こうして心を教えないで、社会のルールだけを教えておくと、その人の努力は実らない。例えばそうした心がなくて時間をきちんと守るようなビジネスマンになっても、人とコミュニケーションできないので、人間関係もうまく行かない。するとこのビジネスマンはどうなるか。「オレはいつもきちんと約束の時間を守っているのに、、」と人を恨むような人間になる。なぜ自分が人望がないかを理解できない。  心の教育、心の教育と叫んでいるが、それは難しいことではなくて、本来は自然に、意識しないでも家庭の中で行われるものである。前回までに親が子供の心をくみ取るということを書いた。親が子供の心をくみ取るから、子供の心の教育が出来ると言うことを忘れてはならない。