加藤諦三の言葉 第54回 [2001/12/11]

一方通行の恋愛が生まれる心理
無理しないほうが愛される「自分の魅力に気づく心理学」 (P.169-P.170)
(三笠書房)

 嫌われることを恐れて遠慮する人がいる。しかし逆に遠慮をしてかえって嫌われたり、相手に迷惑をかけたりすることもある。遠慮するほうの人はあつかましく思われたくないと思って遠慮するのである。
 はずかしがりやの人なども、ありのままの自分では嫌われるという解釈をする。ありのままの自分を屈辱的に解釈している。自分の声が嫌われると解釈する。自分の弱点を隠すのではなく、「自分が弱点と思っている」ことを隠す。相手はそれを弱点とは思っていないことが多い。逆にそれが素晴らしいと思っていることもある。
 恋愛をすると、女性は相手が自分に何を期待しているかということを気にする。なによりも相手の期待を裏切ることがつらい。女性に限らず相手の期待を裏切れない男性もたくさんいる。裏切ることがつらい。
 一つには人のよさもあろう。あるいは相手から期待されたことの喜びもあろう。しかし忘れてならないのはもう一つ、相手の期待を裏切って相手から失望されることの恐ろしさである。そこで相手の期待をかなえようと必死になる。
 相手の期待をかなえることで相手から気にいられようとしている人にとって、相手から失望されることはつらい。しかし多くの場合、相手の期待を裏切って相手から失望されると一人で間違って思いこんでいるだけなのである。



愛される人はこんな“素直さ”をもっている!
無理しないほうが愛される「自分の魅力に気づく心理学」 (P.183-P.185)
(三笠書房)

 いまのありのままの、弱点だらけの自分でいいのである。いまのありのままの、弱点だらけの自分で価値があるのである。それがわからないから弱点を隠して、必死になって幸福になるための無益な努力をしているのである。極端に言えば、生きているだけでいい。幸福は向こうからやって来る。弱点のある自分の価値を信じさえすれば、幸福は向こうからやって来る。
 幸福になれる人となれない人があらかじめ決まっているなどという恐ろしいことがあるのだろうか。それはあると言えば確かにある。そして幸福になる才能とは、「弱点だらけの自分で価値がある」と思うことである。
 私に言わせると次のようになる。無理をしている人から見ると「幸福を手に入れるのは困難でたいへんなことだ」し、無理をしていない人から見ると「幸福を手に入れるのは簡単だ」ということなる。
 それが素直さというものであろう。逆に言えば、素直でなければ何をしても幸福にはなれない。



他人にとり入るからむなしくなる
「立派な人」を演じても心はむなしい (P.23-P.24)
(大和書房)

 人に感謝されることは、われわれの多くにとって気持ちよいし、うれしい。人に感謝されることによって、自分の生きている意味を発見できる。しかし、これは同時にきわめて危険なことではないか。つまり、自分をなくして他人にとり入っていくということになりかねない。そしてそれがわれわれにとってうれしいものであり、人生の意味になるが故に、無限に他人にとり入っていく。
 感謝されてうれしいから、あっちの人にも、こっちの人にも、そして同じ人にさらに感謝されるために大きな行動をはじめる。行動の目的は何よりも他人に感謝されることである。そういう人にとって他人の感謝が生きる支えとなる。
 かくて、完全なまでの自己の貧困化がおきる。その象徴は、日本の親子である。感謝されるとうれしくてうれしくて、どこまでも他人に気に入られようと努力する。


BACK← →NEXT
「加藤諦三の言葉」目次へ戻る
トップページへ戻る

このページに掲載されている記事などの無断転用を禁じます。

Copyright (C) 2000-2006
加藤諦三、加藤諦三研究室