加藤諦三の言葉 第289回 [2007/04/04]

孤立感と空虚感。
「自信」「三笠書房」

孤立感と空虚感は一つのものの表と裏であろう。そして、彼らは孤立感と空虚感にかられて何かに熱中しようとする。孤立感や空虚感は焦燥感を生むであろ う。何かをしていないと自分がなくなってしまうような焦燥感にかられて仕事にはげみ、対人関係に消耗する。  もし私たちが努力しても努力しても心の安定を得られないとすれば、自分はこの努力によって自分の中の何を隠蔽しようとしているのか、ということを反省す る必要があろう。その反省ぬきに努力をつづけても、焦燥感は強まりこそすれ、なくなることはない。  うつ病の病前性格者は、自分の立っている足場がくずれ落ちるような不安を隠しながら、仕事と対人関係でいい顔をしつづけているのであろう。  私たちの前にある選択は、自分の内面の空虚感や孤立感から逃げるのか、あるいはそれに立ちむかっていくのか、という選択である。そして、逃げた者はさま ざまな心理的病におちいっていくしかないのである。


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