加藤諦三の言葉 第194回 [2004/11/25]

  生命の貯金
『苦しくても意味のある人生』(p.181−p.183)
(大和書房)

 磨くということをしていれば、年齢が加算されるにつれて、たくさんの生命の貯金ができる。現金の貯金は使って しまえばなくなる。しかし、磨いて得た生命の貯金は永遠の財産になる。これがホモ・ファーベル(働く人間)には 分からない。
 生命の貯金とは何か?
 それは生きていることを感謝する気持ち、生きていること、そのことが喜びになる性格である。
 どんな時でも「自分を磨く」という気持ちで今日をおくれば、その先の人生はバラ色になる。大金 をはたいてエステに行かなくても、「今日一日、自分を磨く」という気持ちで毎日いれば、女性はきれいになる。
 自分を磨いていることで、心はいつまでも青春でいることができる。それに対してホモ・ファーベルは成功という ことしか考えないから、歳とともに心も体も醜くなる。そして生きることがだんだんと辛くなり、いつも人をうらん でいる。
 お金になる仕事に夢中になり過ぎた時にした生命の借金の返済を迫られているのである。
 「良い子」は、自分を磨くことを忘れて、お金になる仕事に奔走している女性みたいなものである。その場その場 で人から評価されることしか考えていない。長い眼で見ると、その場その場で大切なものを失っている。
 「良い子」に欠けているのは、この時間をかけて「自分を磨く」ということである。「良い子」は何をするにも人 から誉めてもらうためである。
 そして気がついたら、何をしてもそこに達成感、満足感を持てない自分になっている。生きることが嫌になっている。



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