加藤諦三の言葉 第189回 [2004/10/22]

   人をうらやむほど愚かなことはない
『どう生きるか』(p.17−p.19)
(大和書房)

イソップ物語のこんな話
 「ケイトウがバラに言った。『あなたはなんと美しい花でしょう。みんなから好かれるその姿と香りがうらやましい』
 バラはこう答えた。『私は短い間しか生きられないのに、あなたはいつまでも花が咲いていて若々しい』」
★   ★   ★
 他人から見てうらやましいと思われている人でも、その人の視点から見れば物事はちがって見える。自分は自分、
人は人なのだから、それぞれの人生で自分を受け入れて生きるのがベストである。
 もしケイトウが「私はすてき」と言えば、おそらくバラも「私もすてき」と競うだろう。
そしておたがいが不幸になる。
 だから相手をほめてみることである。すると、相手の言葉で自分の幸せに気がつくことがある。バラはバラで自分
の幸せに気がつく。
 人はなぐさめあうと楽しくなる。だから、相手の長所をほめることである。ほめると相手は裸になり、素直になる。
しかし、自分が不満だったり、さびしいときには相手をほめられない。
 人生に不満で孤独な人はたいてい自分のつらさを訴えている。
そうして相手をうらやむだけの人が「自分を生きていない人」である。そういう人は、直接面と向かってほめないで、
心のなかで相手をうらやむ。そしてこの相手をうらやむ気持ちがあるから、その人の周りに人は集まらない。
人が集まらないから、さらに人をうらやむ。それがまた人を遠ざけてしまう。
 心の豊かな人の周りには、心の豊かな人がたくさん集まる。素直な人の周りには素直な人がたくさん集まる。



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