加藤諦三の言葉 第179回 [2004/7/20]

のんびりしている人をうらやましく思うあなたに
『やすらぎの法則』 (p.153−p.154)
(大和書房)

 私は若い頃、虚勢を張って生きていた。
相手に自分を強く見せることが何よりも自分にとって大切なことであった。
いかにしたら自分を優れているように見せられるかが、私の課題であった。
そのことに自分のエネルギーを消耗していた。
 そしてそうしているときには、いつも脅えていた。やすらぎはなかった。何だか知らないけど、相手が怖くて自分
の意見も言えなかった。相手に合わせるようなことしか言えなかった。相手と自分の意見がちがったときには、自分
の意見を言わないで、相手に合わせた。
 そしてあとで追いつめられていった。そのストレスは大変なものであった。
私ばかりではない、人は相手に対して虚勢を張ると、不思議なことに相手が怖くなる。
 ところがあるときに、私はふと「自分は弱いのだ」と認められる気分になった。
すると不思議なことに人が怖くなくなった。スーッと自分のなかから人々に対する恐怖感が消えていった。
「自分は弱いのだ」と自分を認めると、相手が怖くなくなる。
相手に自分を強く見せようとするから、相手が怖くなるのである。
「自分は弱いのだ」と認められる気分になると、自分とちがった意見を持っている人が、
自分にとって脅威の対象にはならなくなった。やすらぎが体全体にしみわたっていくようであった。


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