12. “I have a right to be here”と自分に言い聞かせよ(『「やさしさ」と「冷たさ」の心理』)

『「やさしさ」と「冷たさ」の心理』より

自己評価の低い人は、傷つき易い。自己評価が低いということは、「自分は他人に愛されるに価しない」ということである。それは小さい頃、You have a right to be here .というメッセージも、あなたがここにいるのが私には嬉しいのよ」というメッセージも与えられていないからである。

大人になって、他人といると何となく落ち着かないし、用事が終わると何かそこにいてはいけないような感じになる人は、自分は単に小さい頃、自信を持つに必要なメッセージを与えられなかっただけだと、まず頭で分かることである。自分は落ち着かないが、決して相手は自分が感じているようには感じていないと、まずはっきりと自分に言い聞かせることである。

相手にとって自分は一緒にいる価値がないのではなく、自分が単にそのように感じているだけだということをまず分かることが、自信を持つための第一歩である。

「一人になるとほっとする」と言う人がよくいる。そうした面は誰にでもあろう。しかし、他人といると自分に自信がなくなるという人ほど、一人になるとほっとするのではなかろうか。

小さい頃、I like to be near you.とかYou have a right to be here.とかいう単純なメッセージを、親から与えられなかったということが、他人と一緒に自信が持てないという原因なのである。従って、「自分は他人にとって愛されるに価する人間である」ということを、自分に言い聞かせることが必要なのであって、ことさら他人にために尽くすことが自信を持つために必要なことなのではない。