名言イソップ物語 第6回 [2000/10/18]

ヘビとカニ

 カニはヘビとなかまになって、いっしょに暮らしていました。カニは、根が正直なものですから、ヘビに悪いくせをなおせとすすめていました。ところが、ヘビはどうしてもいうことをききません。そこでカニは、ヘビが眠るのをまちかまえていて、ヘビの首をハサミでつかまえ、できるだけつよくしめつけて殺しました。ヘビが死んでのびたのを見て、カニがいいました。
 「こういうふうに、はじめからまっすぐではっきりしているとよかったのだ。そうすればこんなめにはあわなかっただろう。」
 友人とつきあっていながらだます人は、かえってひどいめにあうものの。

 カニはヘビとヒモを間違えている。ヘビをヒモだと思っている。カニは状況、相手を見ていない。
 ヘビがまっすぐでは生きていけない。キリンは首が長くてキリンなのである。ヘビがまっすぐでは、キリンの首を切ったようなものである。
 赤ちゃんはおしめをするものなのに、おしめをしたら「何でおしめをするの?」と聞くようなものである。
 カニは横にまっすぐ進む。蛇行するヘビを許せないのであろう。カニはカニの価値観で動いている。そしてここで大切なのはカニはヘビを自分の思うようにしたようであるが、ヘビが死んでカニは友達が居なくなると言うことである。
 相手が自分の思うように行かないときに、人はそれを相手の欠点という。しかし相手の個性を殺したときには、相手を失うことである。

 いわゆる「良い子」はこれである。最近このいわゆる「良い子」が様々な社会的事件を起こす。いわゆる「良い子」は心が殺されている。
 カーリー・ジブラーンと言う詩人が「誰がひばりにさえずらないよう命ずることが出来るか」と言っているが、それをするのが親なのである。
 さえずらなくなったひばり、まっすぐになったヘビ、そうした人が今の日本には多すぎる。
 「良い子」は子供ではなく、死んだヘビである。



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